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Gastronomy

シェフの声

香りで始まり、
余韻で記憶に残る

鉄板の上で、神戸ビーフが静かに色づく。焼き手は、料理人歴約60年のシェフ。その所作には無駄がなく、静かな緊張感が張りつめています。口に入れた瞬間、濃厚な旨みが口一杯に広がる。その後に美味の余韻を残しながらも、脂の甘みが軽やかに抜けていく。他の和牛とは一線を画す、この"感覚"こそが、神戸ビーフの魅力だと言います。

素材に宿る哲学、
職人の哲学

鉄板の上で、神戸ビーフがゆっくりと色づきはじめる。その瞬間、カウンターの空気が静まり返り、香ばしい焼き音が耳に届く。焼き手は、料理人歴約60年のシェフ。その手つきには一切の無駄がなく、静謐な緊張感をもたらしています。

神戸ビーフの魅力は、まずその香りに現れます。芳醇でありながら、どこまでも上品。“肉を食べている”という確かな充足感を伴いながらも、脂の甘みが軽やかに抜けていきます。そして口に入れた瞬間に舌の上でなめらかに溶け出し、旨みが濃厚に広がる、あの感覚。それが他の和牛とは一線を画す、神戸ビーフの魅力です。「サシが細かく、繊細に入っているからこそ、焼いたときに立ち上がる香りがまるで違うんです。いい肉は、色づきも早い。火の入りも香りも見た目も、すべてが一瞬で決まります」。鉄板の温度を見極め、火の入りを見届ける。そして一瞬の“間”で火を止める。その一連の工程には、「素材を邪魔しない」という強い意志が込められています。

素材の良さを際立たせる
名脇役たち

「おすすめの食べ方は、塩とわさび。それだけで十分です」。もちろんお店ではにんにくチップや醤油といった薬味の提供もしていますが、香りが強いため神戸ビーフの香りや脂の甘みなど、肉本来の風味を引き立てる引き立て役が理想。
「ストレートに食べてもらうのがいちばん。そう言い切れる肉は、なかなかないですよ」。

実際、ロースだけでなく肉厚のあるヘレステーキですら、舌の上でとろけるように消えていきます。雪のように繊細に溶け、口の中からすっと姿を消す――これこそが、多くの人々が他の和牛との違いを実感する最大のポイントなのだそうです。

演出はいらない。
真の高級食材は、
静かに語る

素材がいいからこそ、余計なことをしない。
それがシェフの哲学です。素材本来の上品で華やかな香りが特長の神戸ビーフには、フランベもマリネも不要。演出よりも、素材との対話を大切にすることが重要です。その潔さが、一流の品格を感じさせてくれます。

「焼きすぎても、触りすぎてもダメ。熱が入りすぎれば香りが飛び、脂もにじみ出てしまいます。
素材の力を信じて、こちらが手を加えすぎないことが、いちばんの敬意なんです」。

海外の食通も唸る、
本物にしかない余韻

「食べた瞬間に『これは違う』と一瞬で分かってもらえます。そんなお客様の喜びや驚きの表情を見られるのが、料理人冥利に尽きますね」。
アメリカやフランス、アジア圏の観光客の中には、美味しい和牛を知っている人も多くいます。そんな舌も目も肥えた人々に「やっぱり違うね」と言わせる神戸ビーフの力。「通の人はロースを選びますね。口溶けがいちばん分かりやすいから」という言葉に、肉との長い対話の歴史が垣間見えます。

和牛ブームが世界的に広がる中でも、神戸ビーフには“神戸ビーフたらしめる確固たる所以”があります。
希少性、徹底した流通管理、そしてブランドにふさわしい肉の仕立て――それらを象徴するように、信頼の証である“のじぎく”の認証印が輝きます。「料理人としても誇りを持ってお出しできる、選ばれた肉だけがこのカウンターに立つのです」。

神戸ビーフという
素材と向き合う覚悟

「本物の素材には、本物の敬意を。
神戸ビーフを扱うときは、
料理人としての矜持が問われます」。

そう語るシェフのまなざしは、
まるで一つの芸術作品を
見つめる画家のように真剣。
料理人にとって、神戸ビーフは
ただの“食材”ではなく、
日本の自然と文化が育んだ、唯一無二の
芸術とも言えるでしょう。

SHOP INFORMATION

世界に誇るKOBE BEEFを、五感で味わう情報発信拠点

「神戸ビーフ館」は、神戸ビーフの定義や歴史など様々な情報を知ることができる情報発信拠点です。多言語に対応した映像や展示を通じて、ブランドの歴史や美味しさの秘密を体感できるほか、お土産にぴったりなオリジナルグッズの販売も。併設されたレストランでは、シェフが目の前で焼き上げる本格鉄板焼きで、神戸ビーフの真髄をご堪能いただけます。

神戸ビーフ館
〒650-0002 神戸市中央区北野町1 コトノハコ神戸 3F

※ 月・火定休日(祝日の場合は翌日)

見学・レストランについて

TEL 078-241-7790

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KOBE Beef gallery
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